森林授業と植樹体験会

 

 県内の小学校より依頼があり千葉県の森林や林業に関する授業を行いました。
森林の持つ多様な機能の事や、その機能を発揮させるための林業の話など、資料だけでなく枝葉や丸太、チェンソーなどを直接持ち込んで行いました。普段なかなか手に触れる機会がないので、皆さんとても喜んでいました。森林や林業に関心を持つ良い機会だと思うので引き続きたいと思います。

 

 最後まで授業を聞いてくれたお礼として、県産材で制作した「SDGsバッジ」をプレゼントしました。

 

続きまして、

 山武市内の森林で一般の方を対象にした植樹祭が開催されました。午前中は山武市日向の森の森林で行われた樹下植栽。

 大きく空間のひらいた針葉樹林に様々な種類の広葉樹を植栽。多様な樹種からなる森林を目指します。

 午後は浦安市と山武市による2市合同植樹祭が椎崎地区で行われました。
現場は、令和元年度台風による風倒被害林の再造林地で、主にスギ(低花粉スギ)とヒノキを植えました。

小さなお子様から、ご高齢のご夫婦まで幅広い年代の方が参加され、皆さん黙々と作業をしていました。
 森林授業と同様に、森林や林業に興味や関わりを持つ方を少しでも多くしていくことは県内の森林・林業にとって大変意義のある事だと思いますので、今後も積極的に参加したいと思います。

 

 

 

国連の開発目標「SDGs」と森林について

久しぶりの更新です。

引き続き風倒被害林を更新する為の森林整備を実施していますが、災害に強い森林づくりに重きを置き森林整備をしています。

近年、目にする事が多い国連の開発目標「SDGs,持続可能な開発目標」という世界全体を巻き込む2030年を目処とした目標が掲げられましたが、千葉県森林組合としてもこの目標設定に対し、謙虚に対応して行こうと思っています。大まかな17の目標設定に対し森林組合の業務に関わる目標としては以下の図の通りで

ほぼ全ての目標項目に間接的を含めて関わっている事を確認しました。

すなわち森林を守り育てていくという行為とは、儚い持続可能な行為を前提として成り立っている事を改めて認識し、これからも森林の持つ多面的な機能を発揮させる事は、人々の生活環境を向上させる役割の一つであるという事を自覚し、普及啓発していこうと思います。

台風被害森林の森林整備について

昨年9月に襲来した台風第15号、その後に襲来した台風第19号により千葉県内の森林が甚大な被害を受けました。

 

街中の電柱を折ってしまう程の強風が森林にも及び、その被害規模は現在でも把握しきれない程。樹種も、手入れの有無も問わず一様に被害を受けた森林。千葉県のその後の調査では9,000haという想像もつかない被害面積。

計画的に間伐などの森林整備をしてきましたがその根底から覆され、今後の造林計画では樹種選定や保育管理のやり方から組み直さなければいけません。

 

災害に強い森林づくりというワードを新たに加えて。

各支所・事業所には被災直後から民家わきや田畑等の倒木処理などの依頼が殺到し、屋根を破壊している等の緊急性が高いところから順次作業を行って参りました。

令和2年に入り、組合の本来業務である組合員の経営計画対象森林での風倒被害林の整備を始めました。


上記写真2枚は千葉県の最南端にある、安房事業所管内にて作業している写真です。
斜面地が多い現場ですが事前に効率性を考えた場所に作業路を設置し今後の植栽を見据えた作業を行っています。

南部支所は君津市内に事務所があります。
比較的にまとまりのある森林が多く被害規模も大きいです。
その分、現場も大きく、また数が多いので森林整備に精通している協力業者さんも多く、いろいろなところで協力頂き、地域の早期復旧を目指しています。

風倒木を搬出し、植栽をするために山肌をきれいにしてから植栽をします。
作業が完了した写真が以下の写真です。

北部支所は市原市に事務所を置いています。
森林と民家が比較的近く作業をする時はそういったところにも気を遣う必要があります。

根込みで倒れている森林も多くあります。これほど大規模な風倒被害の事業は千葉県で初めて実施するので、行政の担当者に補助事業の活用も含めて確認しながら慎重に作業を進めています。

 


北総事業所は東金市に事務所があります。
森林と民家や電線などが密接し、作業の難易度が上がります。

風倒被害地でのチェンソー作業はリスクが大きいのでなるべく林業機械(グラップル、ハーベスタ)を多用し安全な作業を確立する事に注力しています。

講習会とシンポジウムと林業体験イベント

夏から秋にかけて木材や林業をテーマとしたイベントがありました。
まずは8月23日に千葉市文化センターにて開催された
「県産木材まるごと建築百科」です。
主催はJIA日本建築家協会、県産材の有効活用をテーマとした講習会です。


会場の入り口には県産材を使用した住宅用の設備品などが展示されていました。


千葉県南部地方でよく見られる馬刀葉椎(マテバシイ)を使用した商品など
今後の展開が楽しみな展示です


川上側である森林組合が、千葉県内の森林について現状を伝え、また今後の課題や建築材の流通を太くする為にどういった協力が必要かなどを北部支所の磯部支所長が講演をしました。



その後各企業より中大規模木造建築のノウハウを交えた講演に続きました。


会場に来ていただいた方は熱心に聞き入っていて勉強会に近い雰囲気でした。

JIA日本建築家協会

 

続きまして、
森林組合が事務局をつとめる「ちばの木づかい協議会」として参加している千葉県木材利用ネットワーク(もくネットちば)が主催のイベント「木材利用シンポジウムin千葉」が11月26日に千葉市民会館にて開催されました。


今年度より始まった森林環境譲与税を踏まえた木材利用について
各業界からの講演をメインとしたシンポジウム。


会場入り口では杉板のチーバくんがお出迎え。
会場に入るとたくさんの人で賑わっていました。


千葉県は木材の消費が多い県でもありますが、こういったイベントで少しづつ供給する事ができる県という認識を広げて行きたいです。

続きます。。

これからのイベントとしてのご案内ですが、12月1日に千葉県森林組合として参加するイベント「木づかいプロジェクト」がイオンモール柏にて開催されます。


キッズ本格おしごと体験コーナーにて林業を身近に体験出来ます。


木にまつわるイベントです。是非ご参加下さい。

イオンモール柏イベント案内

 

 

sora:shareについての現地見学会

近年、ドローンの普及が加速しています。それにともないドローンを飛行させるエリアについてはいろいろな諸問題が出始めています。
もともと空中権という権利が土地所有者にはあるようで、そういった問題を解決するために株式会社ドルビズオンが“空をシェアする「sora:share」”を立ち上げました。

その内容を理解・把握するために組合の所有する森林にてドローンを飛行させる実験と見学会を行いました。

DJI社のMavic2というドローンです。
搭載されているカメラの映像を携帯アプリでリアルタイムで確認出来ます。



ドローン内蔵カメラが撮影した画像は以下になります。
超高画質画像だったのですが掲載する都合もあり大分落としてあります。


企業のドローン研修で使用する場合を想定すると近くにトイレや駐車場などの施設があったほうが便利だなと思います。
需要の勢いが強い産業ではこういった権利などの大事な部分が後手になる事があります。今後はとても重要な事だと思いました。

千森組の薪

「千森組の薪」とは千葉県森林組合が生産する薪の事。
計画的に森林整備を行い、その森林から搬出された材にて生産しています。

針葉樹のスギの薪は火を起こす際の焚き付け易さに優れています。
また不定期ではありますがその他広葉樹なども在庫しています。

最近のキャンプブームなどの影響で大きな単位での注文もありますので
入用の際は早めにお声かけ頂くととても嬉しいです。

また千葉県内のホームセンターでのお取扱いもしていますので
お問い合わせ下さい。

詳しくはトピックスの薪ページをご覧ください。
お待ちしています。

 

山のアート

2月に入り雪の少ない千葉県でもちらほらと雪の降る日がありました。
県内北部地域では高性能林業機械を使用した列状間伐のエリアがあります。



積雪エリアと積もらないエリアがはっきりと分かれていて
白と茶色のストライプが出来上がってとても綺麗です。
人工的な物と自然の現象とのコラボレーション。
その他綺麗な山の風景を掲載します。





普段山に入って仕事をこなしていると突然ハッとした風景に出逢います。
そんな風景も山がもつ魅力です。

最後に九州の宮崎地方にて試験的に植えたスギ林がまるでミステリーサークルのようでTVなどでも話題になっていました。


もともとは植栽密度と樹高成長との関連を調べる試験林でしたが
今回様々なメディアで取り上げられ、今後は観光資源としての整備も
視野にいれているようです。
この中心地から木を見上げるとどのような風景がひろがっているのか、興味をそそられます。

woodコレクション(モクコレ)2019

1月29・30日に東京都主催のイベント「モクコレ2019」が
国際展示場にて開催されました。
このイベントはその名の通り木材関連のイベントで
全国の木材に関連する事業者約308社が出展します。
今回は森林組合が事務局を務める「ちばの木づかい協議会」として
初の出展です

会場入り口の看板

各県単位での出展という事で千葉県ブースでは
木材振興協会さんが取り纏めながら各出展業者さんと打合せを重ね
ひとつの空間で各商品を効果的に配置しました。

千葉県ブースです。
木材を効率良く再構築しながらデザインも素敵な商品、
地中に森をつくる木や、
立派に生まれ変わった木、
またストーリーが感じられるデザインや、
暖かい印象を持つ商品、
木の持つ特性を理解し見事に生まれ変わった商品や、ちばの木の歴史に重きを置いた展示や商品
ちばの木をどんどん発信する勢いのある商品
などなど魅力的なものがいっぱいです。

そして協議会の商品は

木の枝をスライスしたものを板に敷き詰め樹脂でコーティング。
この作品は「山の記憶」というテーマで制作をしました。
木材が持つ記憶は長い年月を過ごした山の様々な風景。
ゆったりとした時間の流れや様々な枝からなる表情を楽しんで
ちばの森林の記憶に触れて頂きたいです。

他県の展示品散策。



あらためて木の持つ様々な表情は素敵だなと再確認。
とても収穫の多いイベントでした。

ちーばくんも大満足です。

安全パトロールと森林バスツアー

年の瀬を迎え、今年もあとわずかになりました。
森林組合の仕事も繁忙期に入り、これから来春までは慌ただしい
日々となります。
忙しい中で特に気を付けないといけないのは労働災害です。
現場に従事している職員の労働災害を防止し安全対策及び労働環境の改善を
目的とした安全パトロールを実施しました。

組合長や専務理事自らパトロールの先頭に立ち4支所事業所の
各現場を巡回し、災害の未然防止に努めました。
こういった活動を通して現場職員の安全意識が向上し、
災害が少なくなる事を願っています。

野田市にある、ちばの木づかい協議会員でもある
協定工務店グッドリビングさんが主催の「森林バスツアー」が開催されました。

このツアーは、千葉県産材を使った家づくりを通して、

森林を身近に感じて頂く事と、森林づくりに少しでも関わって頂き、
森林の大切さを実感して頂く事を目的としています。

まずは現地で山の概要説明や道具などの説明をし、
実際に木を伐倒するシーンを安全な場所から鑑賞します。

木が倒れる瞬間はなかなか見れる機会がないので
皆さん大興奮で、拍手喝采。
その後倒れた木の元に行き、切株の説明などをしました。


場所は変わり、植栽をして造林している現場での植栽体験です。
植栽の方法を説明し自分が植えた苗に印をつけました。


毎年恒例の行事なので次回にどれだけ成長したのかを確認する事が出来ます。


森林づくりや、林業の発展に寄与するこのような活動を今後も促進して
いきますので興味のある方はいつでもご連絡下さい。

 

 

第42回全国育樹祭(林業機械展)東京都あきる野市

東京都が主催の第42回全国育樹祭の記念行事として
「森林・林業・環境機械展示実演会」が
東京のあきる野市にて行われ、
見学に行ってきました。

国内、海外の林業に携わる機械メーカーが最新の機械を紹介したり商談をする展示会で今回も様々な機械や器具が展示されていました

会場の真ん中には
立派なシンボルツリーのメタセコイヤ並木が圧巻。


全国的に木質バイオマス発電での木材需要が高まる中、
破砕メーカーも最新の機械を展示していました


その他木材を搬出、運搬する機械や、


立木を伐倒、枝払い、玉切りなどをこなすハーベスタヘッドの
最新の性能を備えたものなどが主に展示されていました。


そして今回の見学の目的でもあった日立建機と提携しているハーベスタヘッド
「waratah」の現地オペレーターとして当組合の職員が操作をしていました。
この「waratah」のシステムは通常の作業の他、バリューバッキングという採材のシステムが
搭載されておりリアルタイムでの木材需要情報を取得し、
高い効率を導いてくれます。

 
その他、山に向かう際の作業車や、


チェンソーメーカーなど、一日では回りきれない程のボリュームです。


出入り口付近ではチェンソーの歴史の展示が行われていて
昭和初期からのチェンソーの変遷が分かるように展示されていました。


ここまで遡るとどういう風に操作するのかも分かりません。


林業の歴史を学び、感じながら、


現在最新である現在の林業も100年、200年後はこういったかたちで
紹介されるのかもしれません。


メタセコイヤ並木の印象が強烈に残りましたが、
とても有意義な時間を過ごせました。
来年は沖縄で開催されるそうです。